←前回からの続き(長いよ、この夢(鼻血))
いつのまにか船はどこかへと乗り上げたようだ。
まるで最初から誰も乗っていなかったように私達の他には誰もそこから降りる人はいなかった。
あんなにいた人たちはどこへいってしまったのだろう…。
皆ゾンビになってしまったのだろうか…。
そして一番気にかかっているのはクリスのことだった。
最後に見たのはウェスカーと一緒に船底に降りていくところだった。
無事でいてくれるといいのだが……。
行動を共にしていたクレアがその時、手分けをして状況を調べようといって、
どこかへ走っていってしまった。
そんな私はぼんやりと、
ゲーム中でも一緒に行動しようよと思うときほど皆して単独行動とってるよね
と思っていた。無理にでもクレアについていくんだったと後悔するがあとのまつりだ。
たどり着いたそこはどこかの街のようだった。なんとなくバイオ3のラクーンシティを彷彿させる。
瓦礫がつみあがった場所からは火があがり、いくつもの狭い路地がいりくんでいる。
そしてどこからともなく、獲物を求めて彷徨うゾンビがあらわれた。
ゲームならどこかに地図があるのに!!!
見知らぬ土地を走り回るには不安の方が大きかった。
しかし目の前にせまるものから逃げないわけにはいかない。
狭い路地裏のような道をただひたすら走りぬけた。
そしてそこをぬけると目の前がひらけた。
なぜか日本にあるようなモデル住宅街のようだった。
どんよりとした雰囲気どころか、日常風景そのままだ。
私は何者かに追われる気配を背後に感じとり、急いでその場を離れた。
ここになら、誰かいるはずだ。
期待と焦燥感に胸をドキドキさせながら一軒家の呼び出し音を鳴らす。
しかし応答はない。
そこにある風景は日常のもののはずだ。
花が咲いている。洗濯物が干してある。布団も干されている。
誰かがいて生活しているはずのその空間に、なぜか違和感があった。
人の気配がないのだ。
道路を歩いている人がいない。家があってもその中に人がいる気配がしない。
不安と恐怖が影をおとしはじめた途端に、背後から追われる気配はより一掃濃くなった。
誰もいない住宅街をただがむしゃらに駆けた。
日常風景から「人」というものをそっくりとぬきとってしまっているのだ。
先に見える広い道路に向かって駆けた。
道路には車が走っているかもしれない。そんな期待があったのだ。
道路まで抜けたが車が1台もそこには走っていなかった。どこも無人だ。
そんなはずはないと言い聞かせ、わからぬ道をただ成り行きまかせに進んでいく。
その間にも何体ものゾンビを避けながらの逃走劇だった。
どこまでいったところだろうか、車道に1台の車がとまっていた。
見ると中に人がいるではないか!!!!
私はなりふりかまわず、「助けてください!!」と叫びながら必死で窓ガラスをたたいた。
しかし私の声が聞こえているのかいないのか、いっこうに中からでてこようとはしない。
そうしている間にも、まわりからゾンビがよってくる。
「追われているんです!!!もう、すぐそこまでゾンビがきているんです!!」
ドアはあかない。
言葉がつうじないのだろうか。
それとも人がピンチに陥っているのにそ知らぬ顔を決めこもうとしているのか。
「ここにいればアイツらにやられてしまいます!!ああ、来た!!!早く!!早く!!」
こっちも必死だった。頼みの綱をようやく見つけたのだ。必死でくいさがった。
ゾンビが車を囲み始めすぐそこまで来たところで、ようやく車のドアがあいた。
そこにいたのはサングラスをかけた舘 ひろし、その人だった。
舘 ひろし〜〜〜〜!!!!全然バイオに関係ないじゃん!!
(後日談)
「冗談かと思ったよ。早く乗れ!!」
さすがの舘さんも目の前までせまってきているゾンビを見て考えを改めたらしい。
車はゾンビを振り払うかのように急発進した。
(ここでまた場面が変わる)
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