エントリーA 『腐りっぷり』
(この夢はかなり長いです(笑))


『私』が気づくと、そこは客船のホールのようなところだった。
客船といえども豪華なところは何一つなく、どちらかというとTVで見た海軍の船といった感じだ。
目の前にはたくさんの人がいて、一番前では誰かが全員に何かを言っている最中だ。
声は聞こえなかったが、どうやら
署内旅行の挨拶のようだった。
まわりを見渡すと、いかにもそれらしい人たちがいる。
そのなかにはバリーやジルらしき姿もあったことから
ラクーン署の旅行だと予想がついた。
何気なくそんな一同を見渡すように視線を泳がすと、背をむけて立つ後列に見覚えのある
後姿を見つけた。

「(あれは……
クリスウェスカー!!!!!)」

それはもうシリーズとおしてプレイしていた私は、瞬時に「
(ええ!!?)」と思ってしまった。

シリーズの流れからいくと、この状況は修羅場かと思いきや、
見ると、
なんとも親しげに話しているのだ。

クリスの目はあきらかに尊敬の眼差しでウェスカーのことを見ているし、
なにやらお互いに話が盛り上がっているのか両者とも笑顔での会話だ。

一体これはどういうこと……!!

「(これは
絶対怪しい。穏便なところを見ると、これはあの洋館事件の前!!?)」

それだったら納得がいく。
あの事件が起こるまでは隊長と隊員というごく普通の間柄が成立する。
たぶんこういった感じで普通に会話をしていたに違いない。

しかしそうだったらなおさら事情をよくよく知っている私としては、
クリスにウェスカーのもくろみを、『洋館事件』への警告をするべきではないかと考えた。

いや、むしろ今、
この船内で何かをおこそうとしているのではないだろうかという
漠然とした予感もあった。

が、そんなことを考えている間に、いつの間にか場が解散され、皆それぞれに階下に
向かい始めていたので、慌ててクリスとウェスカーを追うと、そう広くもない湾曲した階段を
降りるウェスカーとクリスを見つけた。
クリスは一向にウェスカーのたくらみなど気づくはずもない。

「(
うわぁ〜ウェスカーしらじらしすぎっ!!!)」

ウェスカーを疑いもしないクリスが逆に可哀想になってきてしまった。
そしてまるで親愛の意をあらわすががごとく、ウェスカーの手がクリスの腰に回された時には

「(こっのぉ〜エロオヤジめがぁ〜〜〜〜!!!)」

驚きびっくり仰天する前に、
内心毒づくことを忘れなかった自分に乾杯をしたい気分だった。
                                                 (後日談)
ここで場面が切り替わる

次のページへGO★

→バイオ部屋に戻る