【 無双4猛将伝プレイ記:パロディSSのおちSS☆ 】

前回までのSSのあらすじ

恋に悩めるお年頃な馬超(ええ!!?)諸葛亮に相談をしたものの、強力なライバル出現に
慌てふためく。そのライバルの名は関羽。髭が立派な漢前である(髭!!?)
しかも馬超より先に諸葛亮にまで同じようなことを相談にきていたという。
これは一大事!!(馬超にとって)
そこで諸葛亮はある策を成す為に、その場に関羽も呼び出す。
ナイス妙案(?)をもちかけた諸葛亮に馬超も関羽も納得し、正々堂々と二人の漢(おとこ)の間に
火蓋がきっておとされようとしたのだが、相談役のはずだった諸葛亮までもが
実はライバルの一人ということが判明。
驚きに動揺を隠せない馬超と関羽。
結局3人して挑む告白と相成り、果たしてその結果たるや………。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「それでは、策を成す日は、明後日にしましょう。明日の戦に勝利し翌日の宴の後などがよろしいかと」

淡々とその後の説明を妙にはりついたままの笑顔の諸葛亮からされた後、部屋にかえされた
馬超と関羽だが、二人はあることを思わずにはいられなかった


「『実は、一番相談しちゃいけない相手だったとか!!?』」


そんな二人の心の叫びを知るか否か、翌日の戦での諸葛亮の戦いぶりは

妙な輝きを増していたように見えた。

輝きというよりか、無双乱舞のビームがところかまわず炸裂し

馬超は兜の飾りであるふさが焦げ、関羽は髭の一部が焦げた。


「『実は、ものすごく牽制されていますか〜〜〜〜〜!!??』」


単なる気のせいと偶然であって欲しいと願わずにはいられない漢(おとこ)2人であった。

そして時はまたたく間に流れ

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

もちろん告白の結果たるもの気にならないはずがない。
そんなことで、一世一代の告白の時間も過ぎ、その夜、諸葛亮の部屋に集まることになった。

どうやら、部屋の前で関羽と馬超がはちあわせをしたらしく、何故かお互いに先を譲っている

さらにあきらかに二人して陽気を隠せずにいるのがわかるほどにでかい声で譲りあっている。

おお!それでは馬超殿。ここはひとつ足並みそろえていこうではないか!」

そうですな!!関羽殿!!!それがいい!!それではいざいかん!!!

見るからに暑苦しい

そうして席に座った二人を羽扇をゆらしながら諸葛亮は見る。

関羽といえば、髭のつやっぷりがいつもにも増して輝いている。眩しい。後光も心なしか見えそうだ。

馬超といえば、何故か片手に果物の盛り合わせしてある籠を持ってきている


これは、見舞いの品………ですか?


用途のわからぬ籠を馬超は力強く机に置き、席につく。

どちらも早く聞いてくれといわんばかりに

目がきらきらしている。


これは……もしかして………。


諸葛亮はある種の予感を感じ取る。

「さて……お二人に集まっていただいたのは他でもありません」

諸葛亮がそう言うと、二人はうんうんと大仰に頷く。

どうなったか………という野暮なことは、聞くまでもありませんね

「うむ……それほどでもないようなあるような
「いやいや、本当、聞いていただいてもいっこうに、この馬超、問題など

何を恥らっているのか、ちょっと赤面しながら照れている関羽と馬超。


はぁ〜〜〜〜〜〜……。


諸葛亮は口元を羽扇で隠しながらため息をつく。

「では、念のためですが、お聞きしましょう。では関羽殿。【彼女】の告白の返事は?」

おお!いや……こういうのはなんというか照れるものだな。」

そういいながら、自慢の髭を大きくなでる。


「彼女は、これからも共に。頼んだと言って、こぼれんばかりの笑顔で……


その時のことを思い出しているのだろうか。関羽の目は千里先を見ているように遠い

「では、念のためですが、馬超殿にもお聞きしましょう。」

お!!俺か!!?俺はだな。ははははは。言っていいのかな、これ

あの日の夜の苦悩ぶりは一体どこにいったんだ、馬超と言わんばかりの浮かれっぷり。

もちろんですよ、馬超殿」

にっこりと笑顔でこたえる諸葛亮。


「彼女は、もちろんだ。共に戦っていこうと言って、花も色あせてしまいそうな笑顔で……」


その時のことを思い出しているのだろうか。馬超は今にも鼻血がでそうである

そのままにしといたら戻ってきそうにない二人をほおっておき、諸葛亮は一定間隔で羽扇を揺らす。


「………これは、やられたかもしれませんね


その言葉に遠くに旅立っていた二人が戻ってくる。

「『やられた………?』」

「ええ。そうです。」


「『いや、何も諸葛亮殿。そこまで気落ちをせずとも−』」


思わずフォローをいれる二人。微妙にフォローになっていない。


「いえ、違いますよ。私ではなく、私たち3人といった方が正しいです」


「『え………3人……?』」


なんで3人が一緒くたにされているのかいまいちわからないといった感じの二人。

「そうです。いいですか?2人とも。【彼女】は私たち3人に似たような返事をしているんです



「『………え……?』」



「ま、ままままままさか、諸葛亮殿も!!?」

何故か小刻みに震えている人差し指で諸葛亮をさしながら馬超が言う。


「ええ。私も言われましたよ。共にいけるところまでいくのも面白いなと」


瞬時、関羽と馬超の上に浮かび上がるびっくりマーク。そして続く動揺の波。


「つまり、私たち3人の告白は、恋愛告白に見られていないということですよ



「『なんですとぉ〜〜〜〜〜!!!!??』」



部屋中に響き渡る猛者の叫び声。相当いたたまれない


「関羽様と馬超様、少しは落ち着いた方がよろしいですわ


叫び声の余波が残る部屋に、突如違う声のした方を一同は振り返る。

見るといつの間にか部屋の中に貂蝉が入ってきていた。

男ばかりが多い彼女の側近の中でも唯一の女性である人物である。

「これは、貂蝉殿………貴女までいらっしゃるとは」

あらゆる意味で凍りついている2人をよそに諸葛亮は椅子をすすめるが、
やんわりと貂蝉はそれを断る。

「用件だけ言ってすぐにいきますわ。」

そう言うと、意味深に3人の顔を一人ずつ見ていくと、少し困った笑みを浮かべた。


「ダメですわ。殿方たち。【彼女】にはもっと直情的に言葉を言わないと


その言葉にさらに追い討ちをかけられたかのように固まる関羽と馬超。

「ここの殿方たちは、密談には向きませんわね

ようは3人の告白作戦は少なくても貂蝉には筒抜けだったようだ。

まぁ、あれだけでかい声の2人が騒ぎ立てれば気づかない方がおかしいといえばおかしい。

「それに………」

貂蝉はその白くて美しいひとさし指をたてて、自分の唇にそっとあてるとにこりと笑む。


「抜け駆けはずるいですわ」


さすがにその言葉に、諸葛亮の羽扇の動きがとまる。

「うふふ。私も皆様の後に彼女に言いましたの。そうしたら耳まで真っ赤にされてましたわ
 あの方が動揺するところなど滅多に見られませんもの。わたくし驚きましたわ」



(「『えええええええ!!!??』」)



この時ばかりは、声にならぬ雄たけびをあげているであろう関羽と馬超にまじって諸葛亮も
叫びたい心境だった。

しかも、あきらかに3人にはなかった反応を【彼女】がしている


まさか、こんなところにも……。


「それでは、皆様、御機嫌よう」

貂蝉の華麗な身の翻しように惚れ惚れするところだが、漢たちにそんな余裕などありはしない

気づくと、諸葛亮の口からは笑い声がこぼれていた。

それを驚いたように見る関羽と馬超。

「いえ、……すみません。つい。私たちはまだまだということですね

してやられましたよ

これは【彼女】には三度ほど告白でもしないと無理かもしれませんね。

まだまだ、これからということですか。それはそれで楽しいかもしれません。

そんな愉快な心情に諸葛亮がなっているとは知らず、ただただ呆然とする2人をよそに
月が夜空に美しく輝いていた。  (完)


→戻る